アナリストレポート

Investor Relations

会社情報

  • 市場
    東証ジャスダック   コード番号 6147
  • 業種
    機械
  • 代表者
    [役職名] 代表取締役社長
    [氏名] 山崎好和
  • 所在地
    静岡県浜松市東区有玉北町489-23
  • 決算月
    3月
  • URL
    https://www.yamazaki-iron.co.jp

株式情報

  • 会社が発行する株式の総数
    15,703,000株
  • 発行済株式数
    4,579,000株
  • 資本金
    9億7,219万円
  • 株主数
    808名

会社概要

<沿革>

~設立60周年~

創業は1946年、山崎鉄工所として楽器部品及び専用機・治工具を製造する会社としてスタート、産業集積度の高い浜松市で中堅の老舗企業としての地歩を固めている。

  • 1954年
    オートバイ部品の受注を開始
  • 1960年
    法人組織に改組し株式会社山崎鉄工所を設立
  • 1968年
    ドリルユニットをはじめとする省力化機器の製造販売を開始
  • 1972年
    商号を株式会社ヤマザキに変更
  • 1987年
    第13回発明大賞功労賞を受賞
  • 1990年
    株式の店頭登録を行う
  • 1992年
    都田テクノポリス内にテクニカルセンター完成
  • 2000年
    ホーニング部門を新設
  • 2000年
    ベトナムに現地法人YAMAZAKI TECHNICAL VIETNUM Co. Ltd.を設立

経営の基本方針 ― 顧客第一主義 ―

◆常に顧客に向き合い、その戦略に対応できる最適な生産システムを提案し事業の効率化と高付加価値化に貢献すること。この顧客第一主義が当社の理念であり、顧客と共に繋栄するために技術、財務、人材等の充実を通じて企業体質の強化に努めることが求められる。

◆また絶えず変化する社会に対応するためには企業価値と社会価値との共創が必要である。当社も社会的課題に向き合い多角化戦略として環境事業にも注力中である。
SDGs(Sustainable Development Goals―持続可能な開発目標)の取組み第一歩であり、新規事業や市場の開拓、さらにはブランド価値の向上にもつながるものである。

主要取引先

◆歴史と技術に裏付けされた高い対応力により、自動車関連を中心に多くの取引先を有する。

アイシン・グループ/株式会社IJTT/愛知機械工業株式会社/株式会社アツミテック/いすゞ自動車株式会社/カワダ株式会社/京浜精密工業株式会社/株式会社クボタ/上海日立電器有限公司/自動車鋳物株式会社/ジヤトコ株式会社/スズキ株式会社/ダイハツ工業株式会社/株式会社椿本チエイン/株式会社デンソー/GKNドライブラインジャパン株式会社/トヨタ自動車株式会社/トヨタ自動車九州株式会社/日産自動車株式会社/日本電産トーソク株式会社/浜松ホトニクス株式会社/パナソニック株式会社/日野自動車株式会社/PT Astra Honda Motor/株式会社SUBARU/本田技研工業株式会社/本田金属技術株式会社/マツダ株式会社/株式会社ミクニ/三井精機工業株式会社/三菱自動車工業株式会社/三菱重工業株式会社/株式会社山田製作所/ヤマハ発動機株式会社/UDトラックス株式会社

事業内容

~エ作機械と輸送用機器事業が両輪~

工作機械事業

  • 同社の工作機械はホーニング加工機、トランスフォーマシン、バランサー/インデクスマシン、マシニングセンターなど専用機が主体で自動車業界向けが多い。ホーニング加工機は十数年以上の実績を有し、エンジンシリンダの高精度加工を実現している。トランスフォーマシンは工作機ユニットを取り揃え多種多様なプロダクトに対応、バランサーマシンはバランス測定と修正、インデクスマシンは世界屈指を誇る部品加工の位置決め割り出し装置である。
  • またマシニングセンターは異なる一連の作業を一台のコンピュータ制御によりマシニングラインの省人化、無人化を推進する。いずれも高度な技術を通じて製造システムの改革を導くもの。
  • 更に1967年に製造を開始した専用工作機械用ユニットは500種を超える品揃えと高い技術力を通じて顧客の生産現場の効率化に大きく貢献している。すなわち、当社が目指すプレミアムな工作機械一高性能かつ停止(故障)しない、修理が容易で停止時間が短い一の実現である。
  • ユニット化は多品種少量生産の実現にも対応、総仕上工程で多くの実績を積み重ねている。

輸送用機器事業

  • 工作機械製造で蓄積してきたノウハウを活かして自動二輪車等の変速及び制御装置部品、エンジン部品の製造加工及び販売を行っている。また半導体製造装置設備、精密ポンプ等々の部品製造にも応用している。二輪車は日系のホンダ、ヤマハ発動機が世界の2トップで当社はヤマハ発動機向けが多い。
  • 市場はインド、中国を中心としたアジアである。
  • 同社は2004年にベトナムに進出、日本企業の現地生産体制をバックアップ、人材育成貢献も含めた事業を展開を展開している。中長期的には四輪車同様環境対応に伴う電動化が課題である。
写真

工作機械業界の動向

~今後も工作機械の需要は底堅く推移~

◆我が国の工作機械業界は80年代初頭に世界一の生産国になったが、その要因はNC(数値制御)技術の導入による性能の向上が世界的に高く評価されたことによるもの。現在、我が国のNC化率は9割を超えて推移している。

◆80年代以降は内外経済の変動の中で、資本財である工作機械は幾多の荒波にさらされ各企業の盛衰も激しく、再編、淘汰も進んだ。この間工作機械メーカーの上場企業は半減している。

◆2000年代に入ると中国など新興国の需要の高まりを受けて、2007年には17年ぶりに生産額が1兆3,000億円を超え活況を呈した。その後2008年のリーマンショック時には大幅な落ち込みを見せたが、2014年以降は1兆円越えが続いている。特に2017、2018年は連続して過去最高を記録した。

◆2019年はスマホ特需の反動減や米中貿易摩擦の激化などにより、減速となったが、中期的には省人化、5G、自動運転、EV化など最新技術の登場に伴う設備投資の活発化が予想され、工作機械の需要は底堅く推移するものとみられる。

工作機械受注統計

(単位:億円、%)

  2017年 2018年 2019年
機械製造業      
一般機械 2,591(125.1) 2,972(114.7) 1,867(67.7)
自動車 2,011(115.0) 2,482(123.5) 1,305(56.9)
電気・精密 623(135.9) 750(123.5) 400(56.9)
小 計 5,464(119.3) 6,473(118.5) 3,788(63.2)
内需計 6,293(118.6) 7,503(119.2) 4,558(65.8)
外 需 10,161(1412.2) 10,654(104.8) 6,839(69.3)
受注総額 16,455(131.6) 18,157(110.3) 11,397(67.8)
(NC化率) (98.3) (98.2) (98.0)

注:(  )内は前年比、2019年は1~11月
出所:日本工作機械工業会

業績推移

~黒字基調が定着~

◆業績は2012年3月期以降黒字基調を続けている。特に前2019年3月期は省力化機器や専用工作機械の好調に加えて原価低減効果が加わり収益は大幅に向上した。

◆ベトナムの子会社を含め輸送用機器は減収となったが、主力部門の好調がカバーした。 営業利益は18年3月期に比べ3倍強の伸びとなり、同利益率も8.8%と、6ポイントの改善となった。

◆2010、2011年とデフレの長期化とリーマンショックが重なり、赤字決算を余儀なくされたが、この時の収益構造の改善努力もその後の黒字基調の定着につながったと言える。

◆今2020年3月期については自動車関連の伸び悩みに加え、スマホ特需の剥落米中貿易摩擦の拡大などから減益となる見込みである。ただし、主力の工作機械は中期的には内外の製造業の多様なニーズに応えることで底堅い動きが続くものとみられる。

◆同社も新規事業への注力に加え、積極的なグローバル展開により着実な業容拡大を見込む。

連結経営成績

(単位:百万円、円)

売上高 営業利益 経常利益 純利益 配当 純資産
2015.3 2,851 42 108 93 1,833
2016.3 3,333 198 134 84 1,878
2017.3 2,843 81 37 23 1,935
2018.3 3,065 89 73 46 5 1,998
2019.3 3,372 297 284 218 5 2,124

財務ハイライト

~財務内容は健全な状態~

◆基本的には2012年3月期以降の黒字基調の定着により、財務内容は健全な状態が続いている。特に2019年3月期は、好調な業績を受けて一段の良化をみている。

◆収益性の指標では売上高営業利益率が、2.9%から8.8%へ大きく上昇、資産の効率性を示す総資産経常利益率も、1.6%から5.9%となった。

◆工作機械の好調による増収効果に各種の原価低減効果が加わったもので、純資産は前期の19億9千8百万円から21億2千4百万円に増加、企業体質は一段と強化された。

◆この他ROE(自己資本利益率)も、2.4%から10.6%へ向上、上場企業の平均値である約8%を上回った。ROEを補完する安全性を示す財務レバレッジも適正水準である。

◆2019年3月期は外部環境にも恵まれて財務面も大きく改善したが、今後については厳しい状況も予想され、従来以上の効率経営が求められよう。

  2017.3 2018.3 2019.3
自己資本比率(%) 44.1 43.4 41.6
ROE(%) 1.2 2.4 10.6
ROA(%) 0.5 1.0 4.5
財務レバレッジ(倍) 2.31 2.30 2.40

注: 財務レバレッジ=総資産÷自己資本

セグメント情報

~2019年3月期は、売上高、利益とも大幅に伸長~

セグメント別の売上高、利益の推移は別表の通り。

◆2019年3月期は、エ作機械事業が省力化機器や専用工作機械が好調で、売上高、利益とも大幅に伸長した。

◆一方、輸送用機器事業はベトナムの子会社を含め減収減益となった。この結果、売り上げ構成比は工作機械事業が7ポイント上昇し64%に、輸送用機器事業が7ポイント低下し36%となった。工作機械部門は事業の特性として変動が大きいが、高付加価値化を更に進めることなどで安定拡大を目指すことが求められる。

◆比較的安定して推移してきた輸送用機器部門についてはベトナムの子会社の稼働率を引き上げるべく四輪車分野の開拓にも注力している。

◆また課題に向き合う形で、環境対応の新分野での展開も期待される。

セグメント業績推移

(単位:百万円、%)

  2015.3 2016.3 2017.3 2018.3 2019.3
工作機械          
売上高 1,694 2,003 1,489 1,756 2,174
利益 12 157 0.2 18 240
同率 0.7 7.8 1.0 11.0
輸送用機器          
売上高 1,157 1,330 1,353 1,308 1,198
利益 14 25 64 55 42
同率 1.2 1.8 4.7 4.2 3.5

地域別売上高

~2019年3月期は、アジア売上げ構成比が25%~

地域別売上高の推移は別表の通り。

◆地域別には日本が中心だがアジアでのエ作機械の需要拡大が続いている。

◆2019年3月期のアジア売上げ構成比はほぼ倍の25%に達した。

(単位:百万円)

地域別 2015.3 2016.3 2017.3 2018.3 2019.3 売上シェア
日本 1,711 2,331 1,971 2,555 2,465 73%
アジア 960 825 761 398 849 25%
その他 180 176 110 111 57 2%

今後の課題と戦略

~長期10か年計画策定予定~

◆今後の課題は一段の業容拡大と企業体質の強化である。 近く長期10ヶ年計画を策定し達成のための戦略を示す予定。

◆基本的には同社の強みである提案力をさらに高め、環境変化に直面する内外製造業の多様なニーズに応えることである。 特に最大の協業先である自動車産業の歴史的な変革期に合わせた事業展開を推し進めるとのこと。

工作機械

  • 主力の工作機械では総合メーカーから、さらに精度を高めた精機メーカーを指向、多様な 事業展開をはかっていく。
  • またモーターの共同研究などのオープンイノベーション、バリ取り機械(研磨装置)*1 の開発、メンテナンスビジネス *2(オーバーホール)、工場の組立・搬送システムの自動化サービスの提供 等々である。

*1 バリ取り機械
「バリ」とは 加工の際に発生した残留物が製品に付着したもの。バリは製品の安全性を悪化させるだけでなく、製品の精度にも影響を与える。バリ取り機械があれば、製品の品質が向上するばかりではなく、作業者のスキルを問わないため、生産効率もアップする。

*2 メンテナンスビジネス
「メンテナンスビジネス」とは、機械納入後のアフターケアをするサービス。同社を含む工作機械メーカーの、今後のプレゼンス拡大には、工作機械由来のデータを活用した多機能機の開発に留まらず、納入後のメンテナンスや生産体制構築サービスのなど、従来の競争軸と異なる打ち手が求められている。

輸送用機器事業

  • 輸送用機器事業では四輪車のEV対応部品にも注力
  • これはベトナムの現地法人強化の一環でもある。

多角化事業

  • 更なる飛躍のためには新分野への積極的な戦略も必要だ。
  • 具体的には、広く関心が高く社会的課題である、環境対応の事業展開である。

~長期10か年計画策定予定~

(1) マイクロバブル事業―発生時において気泡径がごく微細な気泡を活用する事業

(活用範囲)

  • 水質浄化
  • 水産養殖―浜名湖で水質浄化と養殖カキの成長促進を実験
  • 部品洗浄
  • 飲料水加工
  • 医療など

(2) ハイブリッド発電システム~小型再生エネルギー ~風力発電と太陽光発電を組み合わせた小型発電システム

(活用範囲)

  • 公園などの照明灯
  • 防犯カメラなどを用いた防犯灯
  • 災害時などの非常用電源
  • 学校などの教育施設用教材
  • 商用電源のない場所での独立電源
  • 環境保全啓発用モニュメント他

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は日本アナリスト協会に登録しているアナリストが公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、担当アナリストが信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。